May 早苗月 さなえづき
♪ 五月ノススメ ♪
桜も散る四月のある日、出掛けたのは、「中原淳一の生きた戦中・戦後」展。
(5/12(日)までです!)
小規模スペースながら、ひとつひとつ展示された文章などを読んでゆくと、とても時間が掛かってしまう・・・。それほどに中身が濃い内容でした。
今は物が沢山溢れ、断捨離ブームも浸透しているようですが、戦時中には物も点数制となり、個人・各家庭の持ち物さえ制限されていた時代。
(昭和17年当時、1年間につき、ひと1人が持てる物の上限は”100点”。例えば男性用の
コート、タキシードが35点。婦人ツーピースが14点など。)
これから、再びそんな時代も味わうことがあろうかと身震いしてしまいましたが、それとともに、物を(人も!)大切にしない現代の価値観の浸透ぶりに辟易している私です。個人的に断捨離も、好きではありません。
時代ゆえの美意識の変化のただ中に立たされた中原さんは、”少女の友”挿絵から始まり、大人の女性のための”ソレイユ”、また、少女向けの”ひまわり”を創刊し、その活動の
幅広さにも脱帽しました。(頭の柔らかさにも!)
瞳の大きな少女の絵があまりにも有名な中原さん、そもそもは人形作りから始まり、作品を見初められた後に10代後半の若さで挿絵画家としてデビューしたそうです。その経緯も初めて知り、才能のずば抜けた人っているものだ・・・と、久々に感嘆してしまいました。雑誌好きな女性たちにもお勧めな展示です。
その後、千鳥ヶ淵沿いを歩き、知人から教えていただいた戦没者墓苑へも行ってみようと思う。ただそこに碑が残されているだけなのに、佇むだけで、涙が込み上げてきた自分に驚く。
駅の告知で知った”しょうけい館”での花森安治さんに焦点を当てた、「戦中・戦後の戦病者」展も覗く。(中原さんの展示とともに、こちらも5/12日までなので、もしご興味あればと思います。)
暮らしの手帳創設者の花森さんは、戦時中結核を患っていたそう。私の祖父もひどい結核に悩まされ、手術の様子などをよく祖母が話してくれたことを思い出しました。
また、独自の視点を持ち、戦後には戦時中の一般の人々の声を拾い上げた特集を組むなどしていたそうです。花森さんといえば、手掛けられた装丁などのかわいい印象が強く、今までとは違った一面を学べた時間でもありました。
ところで、しょうけい館2Fの展示室は、ガラス張りの綺麗な展示室なのに、1人で見ようと思うとなんだか怖い。そんな時は、もれなく警備員のおじさんがついてきてくれます。施設の人でさえ、1人で見回る際、ガラスに映った自分の人影にびくっと驚いたりするそう。笑
怖がりは私だけではないのね〜と、ほっと胸を撫で下ろすひと時でもありました。
お勧めの展示
◆行ってきたもの
・「戦中・戦後の戦病者」〜二度の除隊を経て 花森安治のあゆみ〜展 5/12(日)まで。
◆これから行きたいもの
・「木村荘八」展 5/19(日)まで、東京駅すぐTOKYO STATION GARRELYにて。
・宇野亞喜良 「5月の唄」展 5/3(日)-5/26(日)まで、恵比寿LIBRAIRIE6/シス書店
にて。(しつこく・・無料です♪)
http://librairie6.exblog.jp/
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追記
・田名網敬一Tanaami Tee x 100(Tシャツ展)5/10(金)-5/22(水)まで、
代官山 SPEAK FORにて。(無料です♪)
サイケデリックさに圧倒されつつも、反戦の意味も込められたその作品の数々について、とても興味深く感じています。こちらに田名網さんの動画があります。↓
上記のリンク先がうまく繋がらないことがあるので、その場合は、同じ内容のインタビューがこちらにあります。↓